男性は束縛されることを嫌います。
「俺の行動は、すべて俺が自分で決めている!」
「俺は誰かの意思で動いているのではない!」
事実はどうあれ、そう思い、いつだって自由でいたいと望む生き物です。

私だって、束縛されるより自由なほうがいいとは思いますけど、それとは違うんですか?

そうですね、女性の思う「自由なほうが楽しいよね」という気持ちとは少し違います。男性の場合は、本能的に自由を求めているので、その欲求はもっと強くて深いものです。
男性には「自分の能力を認めて欲しい」という性質があるという話は覚えていますか?
「他者より強くあること」が存在意義である男性にとって、自分の行動を他人にコントロールされるのは負けを意味します。
だから男性は、誰にも支配されない、自由な状態でいることを好みます。
恋愛においても、この本質は変わりません。
彼があなたに会う時に、
「俺が会いたいから会う」
という気持ちでいると、2人の関係はうまくいきます。
でも、あなたに会うことが
「会わないといけない」
という義務や強要になると、あなたは彼にとって自由を奪う存在となり、疎ましい存在になってしまうのです。
女性は彼の愛情を確かめたくて、よくこんな小さな束縛やルールを男性に求めます。
「1日2回、必ず連絡してね!」
「寝る前は必ずおやすみのLINEをしてね!」
「浮気したら別れるからね!」
でも、これは逆効果。
何かを強制したり禁止したりするほど、彼はそのルールを破って自由になろうとします。

男性にとって、相手の言いなりになっているということは「負け」なので、一刻もはやくその状態から抜け出して「強い自分」に戻らないといけません。

会いたいって言うほど、会いたくなくなるってことですか…。
あなたは「北風と太陽」の童話を覚えていますか?
北風と太陽が、旅人のコートを脱がせる勝負をするお話。
北風は旅人に強い風を吹き付けて、無理やりコートを脱がせようとしました。
けれど風が吹けば吹くほど、旅人はコートをギュッと掴んで話しません。
太陽はというと、旅人を暖かい光でポカポカと照らし続けました。
暑くなった旅人は自らコートを脱ぎ、この勝負は太陽が勝ったのです。
自由でいたい男性の心理も、このお話とよく似ています。
彼の行動をコントロールしようとするほど、反発されてうまくいきません。
もっと連絡してと言うほど、連絡をくれなくなる。
もっと会いたいと言うほど、会ってくれなくなる。
彼をあなたの理想の男にしたいなら、あなたも自由でいましょう。
そもそもあなたはなぜ、彼を束縛したくなるのでしょう?
「私はこんなに好きなのに、彼は違うの?」
「いつも私ばっかり連絡してる」
「他の女に彼を取られるかもしれない!」
そんな不安や自信のなさから、彼を縛ろうとしていませんでしたか?
こういう時、彼の行動を変えようとするのは北風と同じ。
その行動がますますあなたの余裕を奪い、彼の愛情を遠ざけていきます。

でも、どうしたらいいのか…
女性は恋愛をすると、24時間、彼のことを考えていられます。
寝ている時間以外は、仕事をしていても、友達と会っていても…
文字通り1日中、彼のことで頭がいっぱいです。
女性にとっては当たり前のことかもしれませんが、実は男性は「常に恋人のことを考える」ということができません。

女性は一度に複数のことができますが、男性は一度にひとつのことにしか集中できない傾向があります。
多くの男性は、女性のようにずっと恋人のことを考えているということは少なく…
仕事や今やっている作業に一段落ついて、一息つける時に「あいつ何してるかなあ」「この間、楽しかったなあ」と、ふと彼女のことを思い出しています。
あなたのことを愛していないわけではなく、大切にする方法が違うんです。
お守りのように肌身離さず持ち歩くのも、ひとりの時間に宝物をゆっくり眺めて楽しむのも、大切にしているということでは変わりませんよね?

彼と私では、恋愛を大事にするやり方が違う…
自分が24時間、彼のことを考えているからといって、彼にも同じことを期待してしまうと、どんどん苦しくなってしまいます。
男と女では体の作りが違うように、心の作りも違う。
それがわかると、恋愛は楽になります。
あなたが悩んでいることが「彼の個人的な行動」ではなくて、「男性みんなに共通する行動」だと知っていれば、苦しまなくて済むことがたくさんあります。
彼が自由であるように、あなただって自由。
どう頑張っても、彼が24時間あなたのことを考えてくれることはないのなら、あなたも彼に1日のすべてを捧げるのはやめて、恋愛以外の楽しみを持つようにしてみましょう。
「俺がいなくても楽しそうだな…」
「あいつ最近、何やってるんだ?」
こんな風に彼に思わせるんです。
いつも不機嫌で要求ばかりの彼女と、いつも楽しそうにしている彼女。
どちらが魅力的かは、言うまでもありませんよね。
そして男性は、そんな魅力的な女性を ”自分の意思で” 自分のものにしたい、独占したいと思うのです。